黒部上の廊下

日程    1996年8月11日夜〜16日
メンバー  小野本 田中

8月11日
大阪を8月11日に夜行で出発して朝、大町に到着 早速バスに乗って扇沢に着く

8月12日
トロリーバスの始発までには少し時間があったので弁当を食べて始発に乗れるように並んでおく
黒部湖からは湖岸の道をくねくねと回り込みながら平ノ小屋のお昼の渡し舟に間に合うように少し急ぎながら歩いたが
結局平ノ小屋で昼食を摂ってもまだ1時間くらい待ってしまった船を降りてふたたび黒部湖岸を歩いて奥黒部ヒュッテを目指すが梯子も数箇所あり結構時間がかかり、おまけに暑さで少々ばて気味
ようやく奥黒部ヒュッテに到着(^○^)
ヒュッテの人に水量を聞くと平水より30から40センチ位多いとのこと。
時間も少し早いので熊ノ沢の出会いあたりまで行くことにする。

    

狭いながらも楽しい?我が家

8月13日


いよいよ今日から黒部核心部まずは平坦な河原歩き我々の他にも2パーティー(2人パーティーと4人パーティー)が入渓している  まずは少し歩いたゴルジュを徒渉して通過やがて第一の関門下の黒ビンガの通過、右岸のバンドをつたい懸垂で下降ルートさえ間違わなければここはたいしたことは無かったが懸垂のザイルを回収するときに引っかかって回収できず仕方なく登り返して回収。
次は口元のタル沢出会い。2人パーティーの人たちが泳いで通過しようとするが失敗。続いて小野本さん・・・失敗。続いて僕・・・失敗。
あまりの寒さにガタガタ震える。やっぱり黒部の水は冷たい(特に朝は)
しかたなく左岸に渡渉して高巻く。トラロープが張ってあり楽勝(^。^)









   

上の黒ビンガから金作谷出合迄は右へ左へと徒渉の連続でザイルを出してはしまっての繰り返しで少々嫌になって来る頃やっと今日の宿泊予定の金作谷出合に到着。
この頃から少し雨が降り始める


8月14日

朝から雨で川が増水して濁ってきている。今日は停滞。明日雨が止まなければどうしようかと相談するが結論が出ず
夕方になり雨が止んだので少し偵察する。





8月15日

朝一番に徒渉、泳ぎ、へつりの連続したゴルジュを通過する。寒い(@_@)

   

後は結構簡単な河原歩きを続ける。
ここで渡渉をする時アクシデント発生!!
残置ハーケンを支点に確保しながら渡渉するときに流心まで行ったときにハーケンが抜け確保していた僕は引きずられ小野本さんは流されてしまった(>_<)
幸い少し流されただけで浅瀬があったなで事なきをえたが僕はひざを打って負傷。
暫く動けなかったが少し時間がたつと痛みの和らぎなんとか遡行続行することが出来た。
やがて立石を過ぎると待望の立石奇岩に到着。
高さ10メートル位の岩の塔で写真で見たときは本当に塔の様に独立して立っているのかと思ったが実は後ろ側は半分くらいの高さまでつながっている
簡単な河原歩きをしていくとやがて5メートルくらいの懸垂下降をすると高天原への登山道と出会う。
この頃から又雨が降り始める。
予定ではこのあたりでビバークする予定だったが、いいかげんにまともな寝床で寝たいと思っていたので
ちょうど雨も降り始めたので薬師沢小屋で泊まる事にする
小屋で宿泊手続きをしていると”カミロウ”へ行ってきたのですか?と聞かれ一瞬何のことか解らなかったが上の廊下の略称だと気がつき
返事をしたが、なるほど通はカミロウと言うのかと・・・
小屋は暖かいと思ったがシュラフの方が暖かく一晩中寒い思いをしたが
なんといっても雨漏りは無いし地面に水は流れないし、食事は作ってくれるし、同宿の人から岩魚はもらえるし(今回は釣果限りなく0)で
天国天国(^○^)

8月16日


太郎小屋までバテバテでなんとか登りきり小屋から山仲間に無事を連絡して、さあ、ゆっくり下って夕方のバスに乗ろうと小屋の時刻表を見ていると小屋の人が「急げば昼のバスに間に合う」と言われ、その気になってしまい走って走ってぎりぎりセーフ(@_@)つかれた〜



という事で無事上の廊下遡行しましたが数々の反省点を挙げておきます。

1、ザイルは30メーター2本はあった方がいい(1本だとザックピストンが出来ない)
2、エスケープルートをもっと研究する(後日調べると金作谷も登れるらしい)
3、残置ハーケンはちゃんと調べる(当然の事ですねえ)

など等数え上げればキリがないのでこの位にしておきます。